TypeZ性能評価(1)

ノートPC(PenM!)がボロすぎて最近動かしてなかったので、Ivyも出たことだし買い替えることにした。
とりあえずいろいろ見て回った感じでVAIOが15周年記念とかでまたグロッシープレミアムカーボンとかいい意味でぶっ飛んだヤツ(TypeZ)を出していたので、その心意気にほだされてうっかり買ってしまった。
以下は性能評価というより単なる感想文。(DirectXほとんど関係ないしね…)

  • スペック

オーダーメイドの設定はざっくりと無難に以下のようにしてみた。

    • Core i7 3520M
    • DDR3 8GB
    • Power Media Dock(Radeon HD 7670M)あり
    • SSD RAID0 256GB(128GB×2)

以下届いてからわかったことのまとめ

  • 起動が速すぎる

Windowsの起動が体感速度で10sec前後じゃないかと思う。ディスクアクセス速度がヤバい。デスクトップ機がディスク速度で負けてしまった。
エクスペリエンスインデックスは以下の通り

項目 デスクトップ TypeZ
プロセッサ 7.4
Core i7 920
7.2
Core i7 3520M
メモリ(RAM) 7.8
DDR3 1333 3ch
7.6
DDR3 1600 2ch
グラフィックス 7.8
Radeon HD 5870
6.9
Radeon HD 7670M
ゲーム用グラフィックス 7.8 6.9
プライマリハードディスク 7.1
Intel SSDSA2SH032G1GN
7.9
SAMSUNG MZRPC256HADR-000SO RAID0

CPUは920の方が数値が高いんだね。単純な動作周波数なら3520Mの方が上なのに。
ってか、7.9ってなんじゃい。異次元か・・・

試しにCrystalDiskMarkをかけてみたらこんな感じ。(単位はMB/sec)

項目 デスクトップ RAMDISK TypeZ
Sequential Read 223.3 4630.1 1018.2
Sequential Write 85.5 4926.7 413.9
Random Read 512KB 168.2 4548.0 500.7
Random Write 512KB 62.8 4842.8 334.3
Random Read 4KB (QD=1) 19.2 1073.1 20.7
Random Write 4KB (QD=1) 33.4 799.7 56.0
Random Read 4KB (QD=32) 25.2 974.5 455.0
Random Write 4KB (QD=32) 38.8 762.5 238.6

参考情報としてデスクトップのRAMDISKも測ってみた。空き容量の都合で100MBでの計測だけど。

デスクトップ

RAMDISK

TypeZ

それにしても恐ろしい速度だ…SSDっていうよりRAMDISKに近い速度だね。さすがにランダムアクセスになるとゆっくりするけど、それでも速い。

  • SSDの空き容量が150GB

OSとかアプリケーションの容量が50GBくらいある。リテールのWin7 Ultimate を入れたデスクトップが32GBでカツカツなので、そっちと比べるとちょっと容量を食ってるけどそんなにおかしい値じゃない。ただ、リカバリ領域とかもろもろこのせいで合計30GBほど容量が無くなっている。念のため256GBで注文しておいて正解だった。もし128GBで注文していたら40GBほどしか空き容量が無いところだった。こういう大事な仕様は購入前にすぐわかる場所に書いておいてほしい。
割り当てはこんな感じになってた。

領域 容量
回復パーティション 23.25GB
休止パーティション 8.02GB
パライマリ 206.87GB
システム 0.34GB(350MB)

ディスクのセクタ数が250069680でRAID0だから約238.5GB。1024じゃなくて1000換算で256GBなのはよくあることなので、それは良いとして「回復パーティション」ってのがリカバリ領域だよね。あと、PCのサスペンド用でメモリと同じサイズの領域。まぁこれもしかたない。んだけど、全部引き算すると大変なことに…
150/256って58.5%なんだよね。少なく感じるわけだ。

  • Power Media Dockは超薄い

外付けってことでDockはサイズを気にしてなかったけど、届いてその厚みにびっくり。VAIO本体と闘えそうなくらい薄い。てか、ぺらぺらじゃん。Dock自体がパームトップみたいなサイズになってる。いや、もっとデカいけど。とにかく開発者の心意気を感じた。ディスクのローディング機構もPS3みたいにある程度ディスクを押しこむとギュインと吸い込むタイプでなかなかかっこ良い。
ただ、個人的な好みでいうとドッキングステーションはPS3くらいの重量感でブイブイ言わしたいなぁとは思う。薄型ノートPCサイズにするくらいなら本体と一体型で良いじゃん、と思っちゃう。付属のACアダプタはデカいしねぇ。昔のDellのACアダプタを思い出してしまった。
まぁ今回はLight Peakを実用で載っけてきたって部分とGPUを外付けしてくれたって心意気にお金を払ってみた。今回はお布施ってことで。

  • 負荷をかけるとあったかい

ノートPCとしては普通のことだとは思うけど(デスクトップもか)、CPUに負荷がかかると筐体が熱くなってファンがいい感じに回ってくれる。タイミングはよくわからないけどDock側もたまにファンが回ってる。寝転がって使ってると温風が顔を直撃する感じで(枕元にDockを置く方が悪いだろうけどケーブル短いんだよね)。
少しだけ気になるのは本体が結構熱くなるので製品寿命がどうなのかってあたりかも。今まで使ってたノートも熱が原因と思われる故障で2回修理に出してるし…数年ごとに買い替えるつもりで割り切るなら何も問題ないとは思うけど、10年使えるかって聞かれたらわからないね。
ファン音に関しては、うるさいと感じるかどうかは人それぞれだろうけど、今使ってるデスクトップPCがかなり冷却寄り(not静音)にしてある身としてはTypeZは静かな方だと思う。個人的には音と熱に関しては満足。

タッチパッド?がとても使いにくい。どうもクリック用のボタン部分に指を置いているとマウスカーソルの移動を認識してくれないことが多いように思う。パッド上に指を2本置いていると認識率がガタ落ちする気がする。2本指でズームする機能とかがあるらしいからその辺の処理と競合しちゃってるのかな。素材的にはタッチ部分がガラスみたいな硬い材質でできていて面白いとは思うんだけど。
正直マウスを動かしてからクリックすることが多いので、どうしてもボタンの上に左手の指を置いたまま右手でマウスを動かそうとして失敗することが多い。2ヶ月ほど使ってだんだんなれてきたけど、今でもたまに失敗する・・・
ところで、画面上の方でダブルクリックとかのマウス操作をするとランチャ的な何かが立ち上がるんだけど、これは何だろう。調べるのも面倒なのでそのままなんだけど、使いこなすと実は便利なんだろうか。

  • Chromeがプリインストールされている

個人的にはうれしい誤算だった。いや、まぁインストールするのは大した手間じゃないけど。逆にATOK+辞書が自分でインストーラを起動するタイプだったのが残念(インストーラ自体は最初から入ってる)。

  • 重い?軽い?

1kgちょっとってことで軽いと思ってたんだけど、カバンに入れてみるとずっしりと重かった。たぶん容積が小さいから重く感じるんだと思う。逆に手で持つと軽く感じる。さっと手で持って部屋を移動するときなんかは良さそうに思える。Dockにつないじゃうと外すのが面倒そうだけど。

  • 電源ボタン押しづらい

Power Media Dockを繋いだ状態でTypeZをスタンバイ状態にした後、うっかりACアダプタを抜いちゃったことがあって、バッテリーでスタンバイ自体は継続してくれたんだけど正式な手順を踏まずにDockがはずれちゃったのでスタンバイから復帰しなくなったことがあった。(スタンバイ復帰前にACアダプタを刺したんだけどダメだった)
それで仕方が無いので電源長押しで強制的に落したんだけど、電源ボタンが端っこにあるうえに硬くてさらに押せる場所が限定的で非常に押しづらい。う〜ん…減点。

  • 光るキーボードは良い

オプションのキーボードのバックライト機能をつけておいたんだけど、自分は普段あまり部屋の明かりをつけないのでキーボードが光ってくれるとありがたい。「\」キーとか見てから打たないとよく隣のキーを打っちゃうし。
相変わらずこの「ほわん」と光る感じが無駄にかっこ良いと思う。

  • ノイズキャンセル半端無い

同じくオプションのノイズキャンセリングイヤホンもつけたので、試しにその辺に転がってたDVDを再生してみたらびっくり。ていうか、むしろ外の音が聞こえない。キャンセルってレベルじゃねーぞ!ってくらいの。むしろ自分の鼓動の音がうるさいレベル…
まぁ、キャンセル自体も効いてるんだけど耳の穴が完全に封鎖されることも大きいと思う。キャンセル機能が無い機器につないでもかなり外が聞こえにくいし。
あと重低音についてはとてもイヤホンとは思えないくらい響く感じ。劇場でなる音みたいな感じ。いや、劇場と違っておなかに響いたりはしないけど。自分は音質には素人なので十二分に満足。「せっかくなのでオプションいっぱいつけちゃえ」的な発想でつけただけだったのでうれしい誤算だった。

  • シートバッテリーは基本つけっぱなしか

シートバッテリーはコインか何かで回せそうなねじで8か所くらい止めてある。4つくらいが柔らかいタイプで残りが固いタイプ。外そうとしてみたけど2つ外したところで断念した。正直ねじを回すのが面倒。個人的にはバッテリーは不要な時に取り外して寿命を温存したい派なんだけどあきらめることにした。
バッテリーの形状はとても良いと思う。

  • 内箱は実は小さい

届いたときの段ボールはそこそこのサイズで「いつも通りだな」と思ったんだけど、中を開けてみると緩衝用のスペースが結構取ってあって中に入っている箱そのものは意外と小さかった。本体もDockも小さいのでこのサイズなんだろうなぁ。
ざっくり計測してみたら、外箱は50cm(幅)×39cm(高)×26.5cm(奥行き)くらいで、内箱は48cm(幅)×26cm(高)×13.5cm(奥行き)って感じ。

  • 光ケーブル自体はそんなに長くない

Light Peakのケーブルは実は1メートルほどしかなかった。Dockを接続するときは必然的にTypeZの近くに置くしかなくなるね。まぁいくら補強されているとはいえ、中身は光ケーブルだしねじれて折れたりしたら最悪だから個人的にはOKだけど、この長さだと困る人もいるんじゃないのかなぁ。
ちなみにDock用のACアダプタのケーブルは長いのでコンセントからは遠くても平気。

と、いい加減長くなってきたので今日はここまででいったん切ることにする。